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vol1

細川さんと須藤さん

食を通じて様々な気付きを
お客さまにできるだけ多くお届けしたい。

澤田

さて、ウェルビーイングシティ構想の対談企画第1弾ということで、今回はプライムシェフから宮崎さんと、高山シェフにお越しいただきました。よろしくお願いします。

高山・宮崎

よろしくお願いします。

  • 澤田

    本日は色々とお話聞かせていただければと思っておりますが、先ずは普段どのようなことをされていらっしゃるのか聞かせていただけますか?

    宮崎

    私は普段、一般のお客さまが自宅にシェフを呼んで自宅でレストランのような体験ができる、いわゆる出張料理サービスのプラットフォーム(プライムシェフ)の事業責任者を行っています。現在コロナ禍で、なかなか外食したくてもできなというお客さまが多くいらっしゃると思いますが、例えば記念日を祝いたいというお客さまにとって自宅にシェフが来てくれると、それだけですごく特別な空間になったり、体験になるじゃないですか。そういった特別な食体験をお客さまにご提供しているようなイメージです。

    ※2021年8月1日より「PRIME SHEF総括」

  • 高山
高山

私は料理人として元々一国一城の主みたいなのを目指していたんですけど、そうじゃない生き方もあるのかなと思い、まず独立して、料理長の仕事をもらったり、プライムシェフさんと一緒にお仕事させていただいたり、食全般に関して様々な形でのプロデュースのようなお仕事をしています。

  • 高山
  • 宮崎

    プライムシェフに参画していただいているシェフは本当に様々な方がいて、料理のジャンルも、イタリアン、フレンチ、和食、なかにはエスニックのような各国の料理のエッセンスを採り入れた料理を振る舞うシェフもいらっしゃいます。

    澤田

    須藤さんは、以前にプライムシェフをご利用されたことはあるんですか?

    須藤

    実は1度だけたまたま自宅で利用したことがあります。今回の『ウェルビーイングシティ構想』の中でレストランをやろうと思った時に、何か面白い仕掛けができないかなと考えていた際に「そうだプライムシェフと何かできないかな?」ということを思い出し、色々なコネクションを使ってお伺いしていたら宮崎さんに辿り着いたので、この企画をお願いしました。

    澤田

    何がきっかけで、こういったプライムシェフというサービスを作ろうと思われたんですか?

宮崎

シェフのスキルを空いた時間でお客さまにサービスとして届けるようなものができないかという構想が始まりです。フリーランスのクリエイターの方々って、活動するにも色々と不安定なことが多いと思うんですね。例えば仕事の波があったり、それに伴って収入の波があったりという中で、プライムシェフのようなプラットフォームがあるとフリーランスのシェフが安定的に仕事を得られるような環境にもなるので「シェフの活躍できるような場を作りましょう」というコンセプトを大事にしています。

  • 高山

    僕は主に高価格帯の料理に携わっています。今も実際に僕が勤めているホテル&レストランでは、「僕の世界を見に来てください」といった形で来訪してもらっています。僕らの場合は、やはり作品を食べに来てもらうスタンスでお客さまと接するため、僕ら自身も結構緊張を強いられることが多く、とにかく新作を発表していかなきゃいけないみたいな思いはあります。逆に出張サービスとして自宅などへ伺う時は「どういう場所でどういった人たちと食事するのか」ということが先に来るので、純粋に食事を楽しみにされている方々のところに僕らが入って食事を作らせてもらうといった、楽しい機会をもらえている感覚です。

    澤田

    やはり食というと私たちの生活とは切っても切り離せない関係かと思うんですが、お二人が食を通して皆さんに提供したいものというのはどういったことなのでしょうか?

  • 高山
宮崎

やっぱり食は、誰もが関わっていることだと思うんですね。そういった中で、今プライムシェフでは特別な食体験を通して、シェフがお客さまに社会のことを伝えたり、それこそ環境だったりとか、色々な観点からお客さまに思いを伝えることで、食べ物はなるべく残さず食べましょうとか、そういう気付きってたくさん生まれてくると思うんですね。その気付き一つひとつをお客さまにできるだけお届けしたいなという思いで今進めております。

高山

食って唯一、五感全部使う作業だと思うんですよ。味覚が入ってきて、音があって、匂いがあって、感触があって。国境だろうが何だろうが全部崩して、多分みんな嫌いな国の料理でも美味しいと思ったら食べると思うんですよね。そういう意味で言うと、色んな垣根を壊しやすいものなんだなという気はします。それが多分食事だけではなく、本日一緒に行かせていただいた畑も十分なエンターテインメントですし、そこにどれくらい「喜びとか楽しさとかを乗っけれられるか」というのを僕は今取り組んでいるところですかね。

細川さんと須藤さん
  • 須藤 須藤 須藤
  • 宮崎

    美味しいって人それぞれじゃないですか。私が一番食べ物で好きなのってトマトなんですね。というのも、私の祖母と祖父が農家をやっていた時期があって、おばあちゃんが作ったトマトを畑に行って夢中で食べるみたいな体験がすごく楽しかったっていうのが記憶と美味しさがリンクしているというのがあるので。トマトが好きだなと思うたびに思い出すみたいなものって、食ならではの体験だなと思っていますね。

    須藤

    お食事って、元も子もないこと言ってしまうと栄養補給じゃないですか。でもそれだけじゃない魅力というか不思議な魅力がたくさん詰まっていて。例えば非日常を体験できたり、子どもの頃の誕生日に家族で行ったレストランの思い出だったり、食事を通じて人間っていうのは色んなことができ、色んなコミュニケーションができるんですよね。
    介護を通じた世界観で見ると、食事に対する執着、人間を突き動かすエネルギーというのはものすごく大きいんですよ。「〇〇が食べたい」ということのためだけに今まで見たこともないようなエネルギーを発揮する。本当によくある話なんですけど、今まで歩けなかった人が流しそうめんをやったらいきなり立ち出したとか。食事そのものの体験も面白いし、食事っていうもの辿り着くまでの過程を通じて、今日の畑もそうでしたけど、たくさんの学びがそこに詰まっていて、そういったことを都会に住んでいる子どもたちにも何か体験してもらいたいなと思います。今は映像やVRなどを利用して、もしかしたら似たような体験はできるのかもしれませんが、やはり本物に触れてもらうということがすごく大事で、そこには土とか草の匂いがあって、何だったら刺刺したのが痛いなっていうのがあって、そういった体験をしながら、最終的にそれが食に辿り着くんだよ、みたいな過程をどんどん学んでいってもらうなど、僕らが展開するサービスの中でたくさんの方に伝えていければいいなと思っています。

そのとき採れる食材は違うから、同じメニューでも
表情が都度違うのが普通で、それが自然だと思います。

  • 澤田

    今回のウェルビーイングシティ構想、お二方はどのようなことで携わられていらっしゃるのでしょうか?

    宮崎

    『CANVAS(キャンバス)」というマンションの中にレストランを併設で作っているんですけど、地域の方と、そこに住んでいる方との接点を作るような機能をそのレストランで出来ればいいねってお話させていただき、レストランの立ち上げを伴走するような形でご一緒させていただいております。

    須藤

    そうですね、僕が好き勝手に思いついたことを言ってしまうんで、それを皆さんのお知恵を借りながら、何となく今形にしてもらっている状況です。

    宮崎

    テーマとしては『人と人の関わりを実現できるような場所』ということを掲げていて、高山さんは主に地産地消だったり、未来が豊かになるような取り組などを推進されているので、そのプロジェクトの仲間に入っていただいてシェフとしてご一緒させていただいております。

    高山

    食の良いところって色んな方々が関わってくれるっていうことだと思うんです。そこに住んでいる人たちにちゃんと誇りを持たせるっていう。1つ畑をやっている人たちでも、ただ野菜を出荷しているだけだと作業に変わってしまうので、あなたのお野菜でこういう風な料理ができるんですといった交流を深めることで、誇りを持ってもらうことがまずは第一にすべきことだと考えています。

  • 澤田さん

澤田

確かに最近生産者さんの顔が見られたりするシーンってあるじゃないですか。私たち食べる側もそういう風に顔が見られて安心ということもありますし、逆に生産者の方もどういう料理に変わるのかということが分かることによって、作る気持ちやモチベーションが変わったりするということもあるんですね。

細川さんと須藤さん

高山

そうですね。特有の野菜ってありますので、その土地の歴史とか文化とか、土地をもう1回あるべき姿に戻しましょうよ、みたいな事ができてくるというのも楽しいです。生物学上で人間の何が優れているのかという話になった時に、おじいちゃんやおばあちゃんといった3世帯まで、子どもに関わるという生き物って他にないらしいんですよ。おじいちゃんおばあちゃんと関わることによって、文化や歴史をちゃんと継ぎながら進化してきたというのが人間の優れているところだと思うので、そこをもう1回掘り起こしながら「食」というのを見つめていくと、またその土地の個性というのが変わってくると思いますし、そこに住んでいた人たちがどんな人たちなのかというのもまた見えてくるのかなと思って。

  • 澤田さん
  • 高山

    顔が見えるとか、人との繋がりって結構大事だと思うんですよね。若い人とご年配の方が何らかの形で繋がって、生産者さんとお客さんも繋がって、僕ら飲食人も繋がって。このレストランが色んな人と人の繋がりとか交流が出てくるような場所になったら本当にいいなと思うので、そういう意味でも地からくるものを使いたいなと考えています。

    須藤

    私も高山シェフから色々教えていただいて、南大沢付近の農家さんであったり、牧場であったり、養鶏場だったり、酒蔵とかワイナリーまで、直接ご訪問させていただいて、皆さんにご説明をさせていただいて、快く皆さんにご協力をいただいているので、今後もそういった輪を拡げていきたいと考えています。お願いした農家さんも、だったら隣の農家にも話しとこうかとか、実際に輪が徐々に拡がってきているんですよ。そういった形で地域の食材だけではなく、その地域の良さがいっぱい詰まっている場所としてのレストランというものが、プライムシェフの宮崎さんと高山さんが関わっていただくことにより、どんどん拡がっていくのではと思っています。

宮崎

プライムシェフが関わることによって、色々なシェフがそこで腕を振るえるような機会が得られたりとか、シェフがその場に来て料理教室のような雰囲気のことができたりとか、そういったことは今考えている中ではあります。

須藤

例えば地域の子どもたちが「子ども食堂」といったように、家にあるものを使って、もったいないものを食事にして、みんなで食べようみたいな企画をシェフの方がプロデュースしてみんなに教えてくれると、もっと面白いんじゃないかなという風に考えたりもしています。また、今回のレストランでは高山シェフにも色々ご協力いただいて、お客さまに毎日来てもらっても飽きないようなサービスやお食事を楽しんでいただきたいと思っているんですけども、具体的に高山シェフのほうはどういった形でお客様にそういった内容を提供していこうかと今考えてらっしゃいますか?

高山

今回のコンセプトとして、繋がりを生むということが大事になってくると思うので、この料理に関してはこういう風なメッセージをこういう人たちに伝えたいなという意味で調理を都度変えていこうと考えています。多分、ノカンゾウって言っても皆さんはご存知ないかと思うんですが、それはそこら中に生えているような草で、ご年配の方々は当たり前のように食べていました。彼らからすると「何でわざわざ今こんなもの食べるの?」と言われるようなものなんですけど、下の世代に伝えるという場合にはアップデートをした上で出さないと、例えばノカンゾウをただおひたしにしてお出ししても、若い人たちはワーッとは喜ばないので、ちょっとモデルチェンジしてあげないと、どうしても拒否されてしまう可能性があるので、上手にアレンジして出してあげて、すごいね、面白いねって思ってもらえるような形に切り替えたり、誰に向けてどのようなメッセージを発するのかっていうことが大事なことかなと。

宮崎

私たちが取り組むレストランでは、今の季節に合った周りのものを中心に集めてくるので、もちろん求められているものが無い時もあるかもしれません。けれど、それよりももっと良いものを私たちがご提案をできるようサービス作りをしていきたいと思っています。

須藤

1年中同じメニューが同じ表情をしているのって、実はちょっと不自然だったりするじゃないですか。そのとき採れる食材とかが違う筈なので。同じメニューでもやっぱり都度違うのが普通で、それが自然だと思うんですよね。そのため来ていただけるお客さんにも、そういった料理一皿一皿の表情、同じ料理を頼んでも「あなたと私で料理の感じが違いますね」というのは全然あっても良いかなと思っているので、そういったところも楽しんでいただければと思います。

細川さんと須藤さん

好き嫌いを自覚できる状況であること、
そして色々なアクションを起こせること。

  • 澤田

    では最後になりますが、お二人が思うウェルビーイングとは何でしょうか?

    宮崎

    そもそも前提として『ウェルビーイング』とは、人それぞれ考え方は違うという思いの基にあるため、自分自身の好き嫌いだったり、その感覚をちゃんと感じられる状態・余裕のある心の状態っていうのと、その感覚に対して周りと調和していくっていう上で、色々アクションを自分で起こさないといけないと思うので、そのアクションを起こせる機会があるということが、きちんと両立していることがウェルビーイングなのだと私は考えています。ただし人の考えというのは、誰か人に会ったりとか、色々な新たな体験によって変わるっていうものは当然だと思っているので、変わるということを押し潰さないで、きちんと前向きに歩み続けるということが、一方で大事なのかなと思っています。

  • 荒さんと須藤さんの対談
  • 荒さんと須藤さんの対談
  • 高山

    僕はバランスだと思っていて、幸せって形がみんな人それぞれ違うと思いますし、コンセプトにある『ウェルビーイング』とは言い換えるなら五感だと思うので、見た目、香り、もちろん味もですし、プライムシェフとして参画する上では料理人はたくさんの人たちが関わって、賑やかな感じでありカオスのようなものが一つのショーケースの中に入ってくると楽しいだろうなというのがあります。

    須藤

    ただ単なるショーケースのデリキッチンだよっていうことではなく、そこには色んな人の思いが詰まっていて、色んなバックグラウンドがあって、地域の方の協力があって。それらが一つ一つのお皿に並んで景色が見えるような、そんな場所を提供していきたいですね。

高山

僕的にはきれいなものが並んでいる宝石箱とかっていうよりは、もうちょっと無骨な感じの、色んなものがあって、クレイジーなワルツって感じですね(笑)。そういう感じが中に入り込むようなものができたらいいなと思っています。色んな料理人が関われる余白があって、色んな人たちが楽しめる余白があってみたいな、ここで完結するっていうよりはその中にいっぱいの余白があって色んな人たちが入り込めるっていう感じがいいのかなと考えています。

細川さんと須藤さん

profile

  • 須藤 憲綱
  • 須藤 憲綱

    1979年 北海道札幌市生まれ

    大手介護事業者にて、有料老人ホームの施設長、地域連携サービス責任者、社長秘書を歴任。

    地域の医療機関との連携や、全国の介護現場のリスク管理、コンプライアンス是正等に従事。

    その後、介護保険に依存しないビジネスモデルの開発のため、ICTを活用した生産性の向上や新規事業の開発を担当。

    全ての世代が自由に生活できる真のサービスマンションの運営を実現するため、ファーストエボリューション株式会社を設立。

  • 高山 仁志
  • 高山 仁志

    1976年3月24日宮城県仙台市生まれ。

    20歳よりフランス料理店で修行。

    都内有名店で修行後ロザンジュイア広尾迎賓館等で料理長を務める。

    現在は長野県南木曽町のラグジュアリーホテル''zenagi''にて料理長を務めながら様々な地方創生事業に関わる。

  • 宮崎 理沙
  • 宮崎 理沙

    北海道出身。食に造詣の深い祖母と母の影響で「たべること」「つくること」への関心を育む。

    フリーランスの料理家としてチョコレートブランドの立ち上げなどを経験し、
    2018年より出張料理サービス「PRIME CHEF」に事業責任者として携わる。

    2021年、同サービスが事業譲渡されたのと同時に森トラスト株式会社に転籍し、「PRIME CHEF」の事業統括を務めている。

    活動テーマは、食の未来を豊かにすること。そして、クリエイターである料理人が食を表現手段として活躍のできる社会創造。

  • 澤田 南
  • 澤田 南

    1988年6月1日岐阜県恵那市生まれ。

    成城大学文芸学部英文学科 卒業後、株式会社ウェザーニュースキャスターを経て、
    BSフジ『ブラマヨ相談室〜ニッポン、どうかしてるぜ!〜』アシスタントや
    テレビ東京『ビジネスレポートS』ナビゲーター、
    BSフジ『橋本マナミのヨルサンポⅡ』MCなど多方面で活躍中。